ウェブゴルフコラム
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ウェブゴルフコラム 第五回 (03,01,20)

「初優勝を夢見る日本の若手プロたち」

日本ではやっと正月気分が抜けた1月9日、海の向こうアメリカでは、早くもPGAツアー「メルセデスチャンピオンシップ」が開幕した。
左ヒザの手術を受けたタイガー、夫人が出産を控えたミケルソンというビッグネームふたりの欠場は残念だが、出場者は昨年のトーナメントの優勝者ばかり。世界トップレベルの戦いであることに変わりはない。
この試合にエントリーした36人のうち、半分の18人が初出場。つまり、昨シーズンのPGAでは、じつに18人もの新しいチャンピオンが誕生したわけだ。 試合数が約50と多く、トッププロの多くが出場試合数を絞っているという事情を差し引いても、18人という数はあらためてPGAツアーの層の厚さを感じさ せた。
一方、日本ツアーに目を移してみると、S.K.ホ(住建産業オープン広島)、D.スメイル(日本オープン)、B.ジョーンズ(フィリップモリス・チャンピ オンシップ)など6人が初めて日本ツアーで優勝カップを手にした。だが、気になるのは、その全員が外国人プレーヤーだったこと。2勝を挙げた中嶋常幸をは じめ、尾崎将司、湯原信光など、ベテランたちの復活優勝にファンは大喜びしたが、日本人の若いチャンピオンが出なかったのはさびしい。


そこで、期待を込めて、今年初優勝を成し遂げそうな日本の若手プロを予想してみると……。
まず、昨年の日本プロマッチプレーで惜しくも2位、賞金ランキングでも18位に入った近藤智弘は、若手のなかでもっとも優勝に近い位置にいる。また、全英 オープンに出場し、年間ランク27位の宮里聖志にも可能性は十分にある。その弟で、今季いよいよプロデビューを果たす優作にも、「もしかしたら……」の期 待がかかる。また、初シードながら、昨年5試合でベスト10入りを果たした丸山大輔も、初優勝のチャンスは十分だ。

そしてもうひとり、初優勝の期待を抱かせてくれるのが、プロ4年目の星野英正だ。2000年、日本アマ優勝など文句なしの実績をひっさげてプロ入りした が、一昨年までは結果が出なかった。だが、筋力アップと精神的な逞しさを増した昨年は、日本オープンなど3試合でベスト10フィニッシュ。初めてのシード 権を手にした。
昨秋、シード権獲得が見えてきたころ、星野はこんなことをいった。「ゴルフというのは、本当、気持ちの競技なんだと気づきました。どれだけ前向きになれるか。ツアーで勝つ人はみな、勝ちたいという気持ちが強い」
それは、「勝ちたい気持ちさえもてれば、自分にも勝つチャンスがある」という自信がついてきた証しのように思えた。星野にとっては、近藤はプロ入りの同期生、宮里優作は大学の後輩だ。二人に先を越されるわけにはいかないだろう。
今シーズンも、日本の男子ツアーは、昨年の賞金王・谷口徹を中心に、片山晋呉、伊沢利光らが優勝を争うに違いない。その“三強”を、若い力がどれだけ脅かすことができるか。そんなシーンを数多く見せてほしいものである。


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